物質量の計算の考え方

物質量の問題を考える際に大事なのは、比の関係を見つけて式を立てれるかどうか。


 物質量1molのときの質量(g)、原子・分子の数(個)、気体の体積(L)が決まっています。

1molのときの質量のことを原子量、分子量、式量と言います。

1molのときの原子・分子の数をアボガドロ定数(6.0×10の23乗)と言います。

原子・分子の数は無単位と言って単位は書かないことになっています。ただ、実際は問題に出るときは原子の数は何個ですか?と聞かれますので個という風に認識しておきましょう。なので、1molのときの原子・分子の数は種類は問わずに6.0×10の23乗個になります。

1molのときの気体の体積は、22.4Lになります。ただし、これは標準状態の場合だけになります。ほとんどの問題では標準状態のときしか出ないので、気にせずに気体のときは22.4Lが使えます。あと個体や液体のときは体積を使って比の関係は作れません。別の単位に直す必要があります。


では、例題にいきましょう。



1.酸素O2が8gあるとき、この物質量は何molか?原子量はO=16とする。

O=16よりO2=32となるので、O2は32(g)のとき1(mol)となる。8(g)のときの物質量をa(mol)とすると、

32:1=8:a

32×a=1×8

a=8÷32=0.25

よって、0.25(mol) 


2.標準状態において酸素O2が5.6Lあるとき、この物質量は何molか?

酸素は標準状態では気体になります。

こういう問題の場合は□2となっていて端子がLになっていれば気体で考えて問題ないです。

理系の子は無機をやると何が気体なのかを学ぶのでここは計算の練習と割り切っていいです。

気体は1(mol)のとき22.4(L)なので、5.6(L)のときはc(mol)とすると

1:22.4=c:5.6

22.4×c=1×5.6

c=5.6÷22.4=0.25(mol)

よって、0.25(mol)


3.酸素O2が2molあるとき、酸素分子は何個か?

1(mol)のとき酸素分子は6.0×10の23乗(個)となるので、2(mol)のときの酸素分子をb(個)とすると、

1:6.0×10の23乗=2:b

b=2×6.0×10の23乗=12×10の23乗=1.2×10×10の23乗=1.2×10の24乗

よって、1.2×10の24乗(個)


4.酸素O2が2molあるとき、酸素原子は何個か?

O2は分子。これはO原子が2個くっついているので、O2分子1(mol)にはO原子が2(mol)分含まれていることになる。

よって、O2が2(mol)あるときO原子をd(mol)とすると、

1:2=2:d

d=2×2=4(mol)

酸素原子が1(mol)のとき6.0×10の23乗(個)なので、4(mol)のときをe(個)とすると、

1:6.0×10の23乗=4:e

e=4×6.0×10の23乗=24×10の23乗=2.4×10×10の23乗=2.4×10の24乗

よって、2.4×10の24乗(個)


5.標準状態において酸素O2が8gあるとき、この体積は何Lか?原子量はO=16とする。

O=16よりO2=32となるので、O2は32(g)のとき1(mol)となる。8(g)のときの物質量をf(mol)とすると、

32:1=8:f

32×f=1×8

f=8÷32=0.25(mol)

気体は1molのとき22.4Lなので、0.25molのときg(mol)とすると、

1:22.4=0.25:g

g=22.4×0.25=5.6(L)

よって、5.6(L)


1~3が基本、学校の教科書に載ってる公式とかでもいけるやつ。

問題は4,5ですね。公式に当てはめようとしてもうまくいきません。

ただ、ここで物質量の比で出せるので

質量(g)→物質量(mol)→気体の体積(L)

とすることで解けます。

ただ、これって手間がかかりますよね?

5は以下のように考えることができると少し楽になります。


5.標準状態において酸素O2が8gあるとき、この体積は何Lか?原子量はO=16とする。

O=16よりO2=32となるので、O2は32(g)のとき1(mol)となる。また、1(mol)のときの体積は22.4(L)なので、質量が32(g)のときは体積は22.4(L)となると考えられる。

質量が8(g)のときの体積をh(L)とすると

32:22.4=8:h

32×h=22.4×8

h=22.4×8÷32=5.6(L) 

よって、5.6(L)


こういう風に解けると楽になります。最終的にはこうなるといいですが、不慣れな時は最初に説明したやり方でも構いません。

比の考え方のメリットは問題が複雑になったとしても比の関係が作れれば絶対に解けるという点です。

特に国公立の二次対策で驚くほど威力を発揮します。

今回は基本の基本だけですが。


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